声優・能登麻美子さん

 今回は「能登麻美子」さんについてご紹介します。能登さんは“ウィスパーボイス”と呼ばれる柔らかく滑らかな声が特徴の人気声優です。ドラゴンボール超などの有名作品で音響監督を務めている本田保則さんも、「声に混濁したものがない。これは持って生まれたもので、ちょっと浮世離れしたものだ。」と評されていました。1度聞いただけで耳に残る唯一無二な声をお持ちなため、2014年11月時の人気声優のテレビアニメ出演数ランキングでは女性部門で1位を獲得。女性声優はアイドル的な人気を持つ方がたくさんいて順位の入れ替えが激しいため、1位を獲得するのは容易ではありません。そのため代表作はとても多くスクールランブルの塚本八雲やとある魔術の禁書目録シリーズの姫神秋沙のようなクールな少女に、クイーンズブレイドのトモエやフリージングのサテライザー=エル=ブリジットのような凛々しい女性。魔法先生ネギま!の宮崎のどかやペルソナ3の山崎風花のような大人しい少女に、ウィッチブレイドの天羽雅音や君に届けの黒沼爽子のような天真爛漫で明るい主人公の役。地獄少女の閻魔あいやドラッグオンドラグーン3のスリイのような暗くて不気味な役に、戦国BASARAシリーズのお市やジョジョの奇妙な冒険4部の山岸由花子のようなヤンデレの役。かのこんの小山田耕太やフルメタル・パニック!の風間信二のようなお年頃の少年の役に、Fate/staynightのベディヴィエールのような青年役。犬夜叉のりんのような子供の役や銀魂のパンデモニウムさんのような人間でない生物の役など、多くの役柄を演じられています。
 特に犬夜叉ではデビューから数年にも関わらず言葉が離せなくなった子供という難しい役を息遣いのみで演じられていましたし、銀魂では顔は美少女で体は虫というすごい役だったのでファンの間では衝撃が走りました。またアニメやゲームでの出演がとても多い方ですが2000年代からテレビ番組やCMでのナレーションのお仕事も多くされています。「ねころんで」という猫を紹介する番組では4年以上も専属でナレーターを務められていますし、三菱電機やTOYOTAなどの有名企業のCMを何本も担当されました。洋画吹き替えは出演作品が少ないもののメイズ・ランサーシリーズでヒロインを担当。ラジオでは多くの番組でメインパーソナリティを担当されましたし、現在は2013年から続いている看板番組の「能登麻美子 おはなしNOTE」で小説や民話などの朗読をされています。
 性格はご本人曰く「人に尽くされるより尽くす方が好き」という穏やかな方ですが、「怒らせると怖い。」ともおっしゃっています。ご趣味は料理と華道というお淑やかな面をお持ちです。また運動が苦手で学生の頃体育の授業でバスケットボール中に「とりあえず流れに合わせて走っていればいいか。」と思って走っていたところ、何故か敵味方全員に「彼女は味方ではない。」と思われて偶然ボールを拾った際には全員かかってきたというエピソードも。そういった微笑ましい一面やご自身の穏やかな性格もあって声優仲間からはダントツで人気があり、特に生天目仁美さんとはずっと倦怠期知らずのラブラブだそうですし渡辺明乃さんは「彼女はボクのものです!」と長年に渡って主張されています。川澄綾子さんとも「40歳を越えてもお互い独身だったら一緒に暮らそう。」と言い合ってらしたそうですよ。そしてご自身が石川県出身なため「花咲くいろは」という作品では石川弁を話す役を担当し、ご家族に協力してもらいながら現場での方言指導も担当されました。さらに歌唱力にも優れた方で自身名義のシングルやアルバムも出されていて、キャラクターソングもたくさん歌われています。
 しかし独特のウィスパーボイス故に、能登さんが童謡を歌われるとどんなに明るい曲ですら怖くなってしまうそうです。きっかけはウィッチブレイドのアフレコ現場で「かごめかごめ」を歌われてみたことなんですが、その結果周囲はもちろんご本人ですらも震え上がる出来に。後日ラジオでそのエピソードを紹介し歌われた際には、感想メールの8割がこのときの歌についてになるほど多くのリスナーを震え上がらせました。そのくらい反響があったため「能登に童謡を歌わせるコーナー」が誕生してしまいましたし、現在でも「夜に聞いてはいけない。」「呪われる。」とファンの間では語られています。私も戦国BASARAで聞いたときはとても怖かったです。
 そんな能登麻美子さんが声優を志されたのは高校3年生の秋のこと。それまでは演劇部所属とはいえ希望していた進路は看護師だったのですが、劇団の舞台鑑賞で心を動かされたことで本格的に芝居の勉強をするために上京することを決意されました。上京後は専門学校で勉強されてから声優事務所の練習生となり、厳しい訓練の末所属声優としてデビュー。それから端役として経験を積み、徐々に主役格を担当されるようになってきたんですね。更に声優と並行して舞台女優としても活動されていて様々な劇団の舞台に参加されたり、声優仲間である松野太紀さんプロデュースの朗読劇にも参加されました。声優やラジオパーソナリティだけでなく、女優としても様々なフィールドで活躍されている方ですので出演作品数はこれからも伸びていくことでしょう。いつまでもその優しく澄み渡るようなお声を聞かせていただきたいものです。
 どんな世界でも天性のものを武器にして活躍している方はたくさんいます。しかしそれに頼るだけで努力を全くしなかったり周りの人を邪険に扱うと、あっという間にお仕事が来なくなってしまいますよ。部活でも職場でもどんな場所であっても、活躍中の方は決して驕らずに周りの人に優しく接することを忘れないようにしてくださいね。支えてくれる人がいるからこそ、人は活躍出来るのですよ。